東広島・西条 酒蔵「酒泉館」で出会う藍の色

旅行気分で酒都 西条の酒蔵通りを歩く

広島県東広島市西条。
酒蔵が立ち並ぶ通りを歩いていると、ふと足が止まる。

白壁の建物、木の梁、静かな空気。
その一角にある酒蔵「酒泉館」。

ここでは、酒の香りとともに、もうひとつの“日本の色”に出会える。

それが、藍。

藍の始まり ― 乾いた葉

木桶いっぱいに広がる乾燥した藍の葉の「タデアイ」
一見すると地味で素朴な姿。

けれど、この葉が発酵を経て、深い青を生み出す。

自然の力と、人の手間。
時間をかけて育てられる色。

旅先で見ると、その重みが静かに伝わってくる。


綿から糸へ

傍らには綿花。
ふわりと軽い白い繊維。

それが糸になり、
何度も藍に浸され、
空気に触れ、
また浸される。

藍は空気に触れた瞬間、青へと変わる。

自然と呼吸する染料。
まるで生き物のようだ。


藍甕のある空間

大きな甕が並ぶ作業場。
静かな光が差し込む。

発酵を保つ温度、
毎日の手入れ、
職人の経験。

見えない部分に、色の深さが宿る。

観光地でありながら、
ここには作業場の静けさが残っている。


生まれた青

最後に目に入るのは、
藍色の布。

深く、やわらかく、
どこか懐かしい青。

酒どころ西条で出会う、もうひとつの日本の色。

日本の自然を辿る旅は、


風景だけではなく、
色の中にもあるのかもしれない。

酒も藍も、見えない微生物の力を借りて生まれる。
西条は、発酵とともに息づく町なのかもしれない。