広島県・鞆の浦にある歴史民俗資料館で、少し変わったひな人形の展示を見ることができました。
一般的な段飾りとは違い、建物そのものが主役になった「御殿飾り」と、江戸時代の特徴を残す「古今雛」が並んでおり、ひな人形の奥深さを感じられる内容です。
建物が主役の豪華なひな人形「御殿飾り」


まず目を引くのが、巨大な建築模型のようなひな飾り。
これは「御殿飾り」と呼ばれるもので、明治時代に鞆の浦の商家に伝わったものだそうです。
特徴的なのは、人形よりも建物が中心になっている点。
その構造は、京都御所の正殿である紫宸殿をイメージしているとされています。
当時の人々にとって京都の王朝文化は憧れの存在であり、それを表現したのがこの御殿飾りです。
サイズもかなり大きく、幅約288cm。
写真で見る以上に、実物は迫力があります。
御殿飾りは、単なるひな人形ではなく、当時の裕福な商人たちの財力と文化的憧れを象徴する存在だったのでしょうね。
江戸末期の雛人形「古今雛」

一方で展示されていたのが「古今雛」。
こちらは江戸末期のもので、現在の雛人形の原型ともいわれています。
特に特徴的なのが、女雛の長い袖。
優雅に垂れ下がる衣装から、当時の美意識が感じられます。
顔立ちや衣装の細かい作りも非常に繊細で、じっくり見たくなる魅力があります。
ひな人形は「一種類ではない」
今回の展示で印象的だったのは、ひな人形にもさまざまな形式があるということ。
- 建築中心の「御殿飾り」
- 人形そのものに重点を置いた「古今雛」
同じひな人形でも、時代や地域によって形が大きく異なります。
まとめ
ひな人形といえば段飾りを思い浮かべる人が多いですが、実際にはこうした多様な文化が存在しています。
鞆の浦の資料館では、そうした違いを実際に見比べることができる貴重な展示でした。
観光のついでに立ち寄るだけでも、思いがけず面白い発見がある場所です。

