青函連絡船「摩周丸」の通信室を見て思い出したこと|昭和の機器と現場の記憶

北海道・函館に保存されている青函連絡船「摩周丸」。
その船内を見学したとき、特に印象に残ったのが通信室だった。

並んでいるのは、淡いグリーンの筐体にアナログメーター、そして無数のスイッチ。
いかにも“昭和の機械”という雰囲気をまとった設備だ。

ただ、自分にとっては懐かしいどころか、どこか現場の記憶を呼び起こす光景でもあった。


■ 子供のころに乗った青函連絡船

自分は子供のころ、能登の実家へ行く際に青函連絡船に乗っていた。
当時はそれが当たり前の移動手段で、特別なものだとは思っていなかったが、今振り返ると貴重な体験だったと思う。

海を渡る時間、船内の空気、そして独特の揺れ。
それらの記憶が、摩周丸の中にそのまま残っているように感じられた。


■ 通信室に並ぶ“あの色”の機器

摩周丸の通信室で目に入ったのは、日本無線(JRC)系の機器を思わせるあの独特の色合いだった。
淡いグリーンのパネルに、丸いメーター、物理スイッチ。

この構成は、ただ古いというだけではなく、当時の通信設備の標準的なスタイルでもある。


■ 自衛隊時代の記憶と重なる

自分は自衛隊時代、情報本部の電波部にいたことがある。
そのとき扱っていた受信機も、まさに同じような雰囲気の機器だった。

現場ではデジタルではなく、アナログ機器が中心。
メーターの針の動きや微妙な変化を読み取りながら運用する。

いまのように画面で完結する世界ではなく、
👉「機械の状態を感覚で読む」
そんな時代だった。

摩周丸の通信室を見たとき、その感覚が一気に蘇った。


■ アナログ機器の“わかりやすさ”

当時の機器は、操作も状態も非常に直感的だった。

  • メーターが振れる → 状態が変わっている
  • ノイズの変化 → 受信状況の変化
  • スイッチ操作 → 即座に反応が返る

いまのデジタル機器は高性能だが、内部の動きは見えにくい。
それに対して、アナログ機器は「何が起きているか」が直接伝わってくる。

この違いは、実際に扱ったことがある人ほど強く感じるはずだ。


■ 摩周丸の通信室が持つ価値

この通信室は単なる展示ではなく、
👉「昭和の通信技術そのものが残っている場所」
だと思う。

  • 船舶通信の歴史
  • アナログ機器の設計思想
  • 現場での運用のリアル

そういったものが、ひとつの空間に凝縮されている。

■ 写真として残す意味

今回撮影した写真は、単なる記録ではなく、
「その時代の空気を切り取る」ことを意識している。

特に通信室のカットは、

  • 機器の配置
  • 色合い
  • 光の入り方

これらを含めて、その時代らしさを残すことができたと思う。


■ まとめ

青函連絡船・摩周丸の通信室は、
単なる懐かしさだけでなく、技術や現場の記憶を呼び起こす場所だった。

子供のころに乗った船と、
自衛隊時代に扱っていた通信機器。

まったく別の時間のはずなのに、
同じ空間の中でつながるような感覚があった。

こうした体験を含めて、
これからも写真として残していきたいと思う。