
馬と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは
「速い」「力強い」「走る」といった姿かもしれない。
風を切り、
大地を蹴り、
前へ前へと進む存在。
十二支の中でも、
午は動きの象徴として語られることが多い。
けれど本当に、
午は「速いだけ」の干支なのだろうか。
辰の次に来る理由
巳で内に溜め、
辰で一気に流れが動き出した。
けれど、
流れは生まれただけでは意味を持たない。
それを
実際に走らせ、
現実の世界に広げていく存在が必要になる。
そこで置かれているのが、午だ。
午は、
生まれた流れを地上で走らせる役。
空や雲の動きを、
人の暮らしへと運んでいく。
午が象徴するもの
午が象徴するのは、
単なる速さではない。
それは、
運ぶ力だ。
人を運び、
物を運び、
思いや情報を運ぶ。
馬は、
自分のためだけに走る存在ではなかった。
誰かを乗せ、
誰かの願いを背負って、
前へ進む。
午は、
世界をつなぐ役割を担っている。
「午」の文字が示すもの
「午」という字は、
真昼、
太陽が最も高く昇る時間を表す。
影は短く、
迷いは少ない。
巳で考え、
辰で動き出したものが、
ここで最も外へ開かれる。
午は、
力が正面から使われる段階の干支なのだ。
写真の馬が語ること
写真の馬は、
走ってはいない。
それでも、
姿勢は前を向き、
体には張りがある。
装飾が施され、
人の手とともに生きてきた存在であることが分かる。
この馬は、
自由に駆ける野生ではなく、
人と共に進む馬だ。
午の本質は、
速さよりも
信頼にある。
走り続けるという役割
午は、
止まらない。
流れが生まれたあと、
それを途中で投げ出さない。
疲れても、
道が長くても、
前へ進み続ける。
それは、
目立つ役割ではないかもしれない。
けれど、
世界が前に進んでいると感じられるのは、
こうした存在がいるからだ。
午の年に生まれた人へ
午年は、
行動を求められる年だ。
考えすぎず、
まず動くこと。
誰かのために走ること。
誰かを乗せて進むこと。
それは、
簡単な役目ではない。
けれど午は、
「動くことで道が見える」
ということを知っている。
ねずみが始め、
丑が支え、
寅が前に出て、
卯が広げ、
巳が内に収め、
辰が流れを起こした。
午は、
その流れを
現実の地面の上で走らせる。
十二支は、
思考から行動へと移る物語でもある。
午は、
その最初の本格的な「実行」を担う干支なのだ。

