
牛と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは
「のんびり」「我慢強い」「動きが遅い」といった姿かもしれない。
十二支の中でも、丑はどこか地味だ。
前に出ることもなく、目立つこともない。
けれど本当に、丑は「進まない」存在なのだろうか。
ねずみの次に来る理由
十二支は、子(ねずみ)から始まる。
小さく、素早く、動き出す存在だ。
その次に置かれているのが、丑である。
もし十二支が「勢い」だけの物語なら、
もっと派手な動物が続いてもおかしくない。
それでも、丑が選ばれた。
ここに、昔の人の価値観がはっきりと表れている。
丑が象徴するもの
丑は、支える存在だ。
- 荷を引く
- 田を耕す
- 毎日同じ歩幅で進み続ける
早くはない。
だが、止まらない。
丑の価値は、前に出ることではなく、
続けることにある。
始まりを動かしたねずみのあとに、
その動きを地面に定着させる役目を担う。
それが丑だ。
「丑」の文字が示すもの
「丑」という字は、
芽が土の中で結ばれ、まだ表に出ていない状態を表すと言われる。
外から見れば、何も起きていないように見える。
だが内側では、確実に力が蓄えられている。
丑は、結果ではなく過程の干支なのだ。
写真の牛が語ること
写真の牛は、伏せた姿勢をしている。
力を誇示するような角度ではない。
むしろ、じっと地面に重さを預けているように見える。
これは「休んでいる」のではない。
構えている姿だ。
動く準備を、黙って続けている。
丑の強さは、ここにある。
評価されにくい強さ
丑の仕事は、気づかれにくい。
- うまくいっているときほど目立たない
- 問題が起きたときに初めて存在が見える
それでも、丑は役目をやめない。
誰かが前に進めるように、
誰かが挑戦できるように、
足元を支え続ける。
丑の年に生まれた人へ
丑年は、派手な成功を約束する年ではない。
けれど、積み上げる力を持っている。
急がなくていい。
比べなくていい。
丑は、
「続けた人だけがたどり着く場所がある」
ということを知っている。
ねずみが動かした始まりを、
丑は大地に根づかせる。
十二支は、
勢いだけでは進まない。
このあとに続く干支のために、
丑は今日も、黙って歩いている。

